現地レポート3「下準備」
山下さんが「焙炉」(玉露の手もみをする作業台)をみて、「全面を覆っている木を全て取り払ってください。」と、言われた時には、ラジャさんも私たちも意味が理解できず、ポカーンとしていました。田宮さんが「下から火を炊きますから、焙炉の台を木で覆うと木の香りが茶葉についてしまいます。ですから、木はすべて取り払い、最後に和紙で覆いをします。」
ラジャさんが、茶園のコミュニティーの人たちに「全て山下グルの指示に従うこと。」と命令を出しました。山下さんが、まず木の枠を「バーン」という大きな音を出して、はずしました。それを合図のように大工さんたちが3人ほどで木を全てとりはずしにかかりました。
山下さんの次の指示は、焙炉のサイズのブリキ板を探すことでした。廃材置き場に行きいろいろなサイズのほこりだらけのブリキをもってきて、形を整え焙炉のサイズに調える仕事も指示。
別の大工さんが山下さんの指示に従って仕事を始めました。
茶摘みをする茶葉が3種類運ばれてきて山下さんが茶葉のサイズを決めました。明日は朝6時半に茶摘み開始です。6kgを必要とします。
届いた新鮮な茶葉6キロ
蒸す工程
現在紅茶用に使用されている機械の蒸し器の操作点検がはじまりました。回転させたり、止めたり、温度調節をしたり。しかし、山下さんからなかなかOKがでません。この蒸し器が最後まで問題になりました。とうとう山下さんが「回転をさせずに固定して温度を最高にして明日やってみましょう。」と決断を下して蒸し器工程の準備は終了。
焙炉作り
焙炉の木枠と木の台が全て取り払われました。山下さんの出番です。ブリキを台に固定しました。
大きな鍋に水をいれて日本から持参した粉で糊をつくります。玉露用のやはり日本から持参した和紙で、ブリキ板の焙炉の台に貼り付けていく作業が始まりました。これは全て山下さんがなさいました。手際のよいリズミカルな和紙貼り付けの様子を、踊りをみているように皆で見いりました。
見事な焙炉が出来上がりました。
外は真っ暗。夜の8時過ぎです。20人近いコミュニティーの人たちが働きました。明日は朝9時からいよいよマカイバリ茶園での玉露指導が始まります。
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