インドスタディーツアー
2001年3月に国際開発センターが主催するインドスタディーツアーが実施されました。
テーマは 「貧困の現状とダージリン紅茶農園での有機農業体験から学ぶインド 」で 、インドカルカッタ及びダージリンのマカイバリ茶園を訪問しました。一人でも多くの人に、マカイバリ茶園の有機農法を体験し、理解していただくことが茶園主ラジャバナジー氏氏の願いでもあります。 このツアーに参加した石坂恵美さんより茶園体験談レポートが届きました。
マカイバリ茶園体験記
石坂 恵美
私は今年の春3月、ダージリンのマカイバリ茶園に「有機紅茶農園」を体験する学生ツアーの一員として参加しました。 参加しようと思った理由はこちらの農園では日本より優れた有機農業を実践しているとのことで、 どんなものか見学し、学びたいと思ったからです。
茶園へ向かうまで窓なしの車に揺られ、きもち良い風をうけながら、畑を見れば牛たちが自由に草を食べて、標高が高くなるにつれてだんだんと茶畑が多くなってきて、みんなうきうきでした。c270haという日本では考えられない 土地をもつマカイバリ茶園は、しっかりした土壌でマルチ・くもの巣・ハーブなど発見して、自然と共存している様子がうかがえました。
そして工場見学では機械すべてに花柄のマークがほどこされていました。一つのブランドです。このマークは茶の花 を後ろから見たデザインでこっていました。工場内は紅茶の香り漂う夢のような空間でした。 またバナジー氏に細かく説明してもらったり意見交換したりしました。 茶園で働いている人たちや村の人たちも親切に接してくれて、あたたかさがありました。 ここには本当の豊かさを発見できました。
私は将来農業経営者になりたいと考えています。 これからは「有機」の時代だと思います。日本は有機に対して鈍感すぎます。日本の農業は 地球環境を無視し、人間中心農法で間違っていると思います。マカイバリ茶園こそこれからの農業の見本ではないでしょうか。バナジー氏は、地球にやさしい 農法を口で言うだけではなく、実際に実施しています。
農業は理想と現実のキャップがあり、そんなに甘いものではありません。これを完璧にやりとげていることに 私は心から驚きました。そして共感し尊敬しました。
インドというまだまだ貧困を抱えている人々が多い中で、この村は紅茶を通して経済面・人間性・豊かさ・教育 などを確立していました。途上国の見本にもなるのではないでしょうか。
たった3日という短い期間で私にとって、これからを左右する大きな体験となりました。バナジー氏をはじめ、出会ったすべての人、動物、自然に感謝します。そしてまた茶園におじゃまします。マカイバリ茶園のご活躍をお祈りしつつ。

撮影:田村 仁
|