インド国際協力プロジェクト
「福岡正信先生 マカイバリ茶園訪問」 2002年9月28日
自然農法の創始者として世界的に知られる福岡正信先生とお弟子さんの本間裕子さんが、2002年9月28日にマカイバリ茶園を訪問してくださいました。マカイバリ茶園主バナジー氏は、30年以上前から福岡先生の自然農法に感銘を受け、マカイバリ茶園の茶栽培にも福岡先生の農法を独自に取り入れていました。
福岡先生のご来印
2002年はじめ、福岡先生がインドの自然農業・環境団体に招待されインドを訪れることを耳にしたマカイバリジャパンは、福岡先生にマカイバリ茶園まで来て頂くことをお願いしました。福岡先生はマカイバリジャパンの願いを快く引き受けてくださり、2002年9月、マカイバリジャパンの願いでもあり、そしてマカイバリ茶園主バナジー氏の願いでもある、福岡先生のマカイバリ茶園訪問が実現したのです。
福岡先生と茶園主バナジー氏との出会い
福岡先生は今年(2002年)89歳になられました。飛行機を乗り継ぎ、バグドグラ空港までの移動はさぞかし大変だったと思います。バグドグラの空港では、マカイバリ茶園主バナジー氏がお出迎えをしましたが、まさに劇的な瞬間でした。30年以上前に、福岡先生の著書『The One Straw Revolution(邦題:わら一本の革命)』に出会ってから、先生の農法に感銘を受けていたバナジー氏でしたから、長年慕っていた先生にお会いできた時は、大変感激していました。
茶園での滞在〜樹木の生命力に感銘〜
マカイバリ茶園での2泊3日の滞在中、福岡先生はマカイバリ茶園の取り組み、本来の姿のまま森や生き物たちが生息していることに対して、高く評価してくださいました。
「地球にこのような素晴らしい自然があるとは、人生で初めての体験だ。全ての樹木が自然に成長しており、生き生きしている。このような素晴らしい環境で生産される紅茶に匹敵出来る紅茶は世界にはあり得ないのではないか。」
「自分は今、自然の破滅、食糧危機、砂漠化を訴え世界に粘土団子を蒔いているが、むしろこのような自然を保護するのもそれに匹敵するくらい重要な気がする。」と言われました。
福岡先生の著書に出会い、30年以上もの間、遠いダージリンから福岡先生を慕っていた茶園主バナジー氏にとって、先生から頂いたお言葉は、それまでの積み重ねが認められた瞬間でもありました。
2泊3日の短い日程ではありましたが、福岡先生とバナジー氏は「農法」に関して真剣な話し合い、そして熱い議論を交わしました。
紅茶の神様ティー・ティバも先生をお出迎え
福岡先生が茶園に来られる一日前、マカイバリ茶園には紅茶の神様「Tea Deva(ティー・ディバ)」が姿を現しました。ティー・ディバをご覧になった先生は「この不思議な擬態動物ティー・ディバこそ、自然がくれた勲章です。」と感心されていました。
ティー・ディバはマカイバリ茶園にしか生息していない、紅茶の葉の擬態動物です。マカイバリ茶園の中でもなかなか姿を現すことはなく、年に数回しか発見されません。福岡先生が訪問された際にティー・ディバが姿を現したことに対して、バナジー氏は「マカイバリのコミュニティーが心から先生を歓迎している象徴です。」と言いました。
福岡先生のマカイバリ茶園訪問は、マカイバリ茶園主バナジー氏をはじめ、マカイバリ茶園で働いている人たちにとって、大きな喜び、そして励みとなりました。福岡先生、本間さんに心から御礼申し上げます。
今後とも、福岡先生が世界的に推進されていらっしゃる粘土団子が、世界の自然破壊、食料危機、砂漠化阻止に成功されることを、マカイバリ茶園、マカイバリジャパン一同、心よりお祈り申し上げるとともに、微力ながら応援をさせて頂きたいと思います。
デリーでの講演会
福岡先生のマカイバリ茶園訪問の後、10月2日にニューデリーで、福岡先生の特別講演が行われました。300人が入場できる会場では収まりきれず、急遽庭での講演となりました。世界中から福岡先生のお話を聞くためにかけつけてきた、国際色豊かな1000人以上の人々が、椅子と芝生に座り込んでじっと先生のお話を聞いている姿は感動的でした。