ニューデリー駐在員から届く インドの「今」
水プロジェクト インド トヨタ・キルロスカ社の皆様がマカイバリ茶園に車を寄贈してくださいました マカイバリ茶園のあるダージリン地方では、水不足が深刻な問題となっています。マカイバリ茶園でも水の確保は深刻な問題です。 マカイバリ茶園の従業員の各家庭には水道水が引かれていないため、飲料水をはじめ、日常生活に必要な水はすべて、マカイバリ茶園の敷地に2つある滝まで毎日汲みにいかなければなりません。 その2つの滝は山道を徒歩で2時間以上下ったところ、約5km下方にあります。水汲みは女性と子どもの仕事であり、毎日早朝から、大きなタンクを両手に持ち、往復約5時間、重い水を背負いながら山道を歩かなければなりません。毎日の水汲みは、女性や子どもにとって、大変な重労働でした。 マカイバリ茶園での水不足問題を、少しでも軽減できないのか バナジー氏とマカイバリジャパンは長年、この問題にぶつかってきました。しかし、マカイバリのファンでいらっしゃる方から、インドのトヨタ・キルロスカ社(TOYOTA KIRLOSKAR MOTOR PLANT:トヨタ自動車との合弁インド会社)の岡部会長(トヨタ自動車本社取締役)をご紹介頂く機会に恵まれ、水不足を解決する一歩を踏み出すことができました。 マカイバリ茶園には原生林があり、飲料に適する清水が約5km下方にあるので、この清水を、トヨタ・キルロスカ社から寄贈して頂く、山間部でも走行可能な四輪駆動車で運搬することになったのです。
岡部会長は学生時代山岳部に所属され、ヒマラヤに数回来られた時に、ネパールの山の中で生活している人々が水不足で大変苦労していたのを目撃されました。そしてその解決に尽力され、飲料水のパイプラインを日本企業の協力で実現されました。 トヨタ・キルロスカ社では、車を生産する他に、現地の環境問題、エコロジー保護に取り組んでいる企業を積極的に援助する活動を行っています。今回のマカイバリ茶園への車寄贈は、マカイバリ茶園で行われている有機栽培、そして茶園のコミュニティーが抱えている問題に、従業員と茶園主が一体となって取り組んでいる姿勢を高く評価してくださった結果でした。 車引渡し式に参加して 2002年12月25日クリスマスの日に、マカイバリ茶園にクオリス(4輪駆動車)がTOYOTA KIRLOSKAR MOTOR PLANT(トヨタ自動車との合弁インド会社)よりプレゼントされました。そして2003年2月7日(金)には、その引渡し式がコルカタ(=旧カルカッタ)で盛大に行われました。 式にはバンガロール本社からスワミ副社長、青木取締役、辻元 副部長が参列、そしてマカイバリ茶園主バナジー氏、そしてニューデリー代表の石井吉浩が出席しました。また、報道関係者、そして現地ディーラーから数十人と合計 30数人が参加しました。 車引渡し式でバナジー氏は 「こうしてクォリス車を寄贈されたことを、マカイバリのコミュニティーを代表して深くお礼を申し上げます。この車がコミュニティーの女性、子ども達の水汲みの苦労をいかに軽減するかは想像に絶します。この車を、コミュニティーの飲料水運搬に利用させて頂きたいと思います。そして今後とも、環境保護向上に邁進していきます。」 と、お礼の挨拶をしました。 この車引渡し式の様子や、バナジー氏へのインタビューは、その日の夜のコルカタを中心とするニュース番組で放映されました。 トヨタ・キルロスカ社から寄贈して頂いた車は、茶園の女性や子ども達の重労働を大幅に減らしてくれました。それは、水不足解決への大きな一歩だったと思います。このような機会に恵まれたことに感謝し、今後とも茶園で働いている人たちとともに、環境保護、有機栽培に力をいれていきたいと考えております。 トヨタ・キルロスカ社、岡部会長、そしてお力添えをくださった方々に御礼申し上げます。 セレモニーに参列したメンバー (左から、辻元 副部長、石井吉浩、スワミ副社長、ラジャさん、 現地ディーラーの所長さん、青木取締役)