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インド駐在ブログ
ニューデリー駐在員から届く
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白内障キャンプ現地レポート 7  
最終日
2003年12月31日

 
  前日手術した患者さんの診察をするために、国立クルセオン病院へ向かいました。病院に到着し、すぐに患者さんの診察をしました。9人とも術後の経過は良好で、今日全員退院する ことになりそうです。 その後、病院長のDr.シャルマからの 希望があり、手術とは別に診察だけを希望している20人の患者さんを診察しました。 

 10代の人から70代くらいの人まで、 今まで眼の病気に悩まされていた人たちが、わらをもすがる思いで米谷先生の診察を受けにきていることが伝わってきます。白内障の人、黒目が白く濁った人、まぶたが自然に下がってきてしまう人など、ダージリン地区にある病院では的確な診療が受けられずに悩んでいた人たちです。もっとも重症の人は、眼球を摘出しなければならないほどでした。


患者さんを診察する米谷先生。診察中に停電になり、日本から持ってきた診察用器械が使えなくなり、急遽この病院で使用している電池で動く診察用器械を使って診察をしました。





  米谷先生は一人ひとりを丁寧に診察し、病院のドクターに診療の方針を伝えました。今回は、手術を受けられた人は16人に限られていましたが、診察だけを受けた20人の人たちにとっても、 米谷先生に診察していただけたことは、精神的に大きな支えになったのではないかと思います。  

  診察の後、米谷先生に対してDr.シャルマとクルセオン地区の政府の人から感謝の言葉があり、同時に今後の白内障キャンプについて話し合いをしました。このプロジェクトを継続させるためにも、そしてダージリン地区の医療を向上させるためにも、 2004年中に国立クルセオン病院の眼科ドクターをハイデラバードへ医療研修に送ることが約束されました。
 
  Dr.シャルマからは、 マハラジャの医療を提供してくださったこと、米谷先生が 3日間も病院に通って手術と診察をしてくださったこと、 そして何よりもこの白内障キャンプをこれからも継続して くださることに対して、深い感謝の言葉がありました。

  白内障キャンプの構想を練り始めてから2年。それまでの道のりで、プロジェクトは幾度も暗礁にのりあげました。 日本とインド、連絡を一つするのにも、長い時間が必要で した。  

 米谷先生、企業の皆様、マカイバリジャパンのお客様、 そしてこのプロジェクトに関わっていただいた多くの方々の支えがあって、2年越しのプロジェクトが今日、最初の幕を降ろすことができました。「最初の幕」としたのは、今回の 白内障キャンプは、プレリュードと第1楽章にすぎず、来年、 再来年と続いていくからです。  

  病院を去る時、昨日手術を受けた患者さんに会いました。 迎えに来た家族と一緒に家に帰る途中だったのです。 遠くから米谷先生と私を見つけると、彼女は満面の笑顔で大きく手を振り、インド式の挨拶で手を合わせ、小さく お辞儀をしました。言葉を交わす機会はなかったけれど、 彼女の笑顔を見た時、白内障キャンプを実現できて本当に良かった、と心の底から思いました。  

  インドでは、未だに白内障が失明につながる重大な病気に位置付けられています。生活環境や医療設備の不備、 そして医師の認識不足などがその原因だと考えられます。 今回出会った患者さんの殆ど全員が、黒目が白くなっている重症の白内障でした。ダージリンでは、重症の白内障になるまで、患者さんが手術を受けに行かないのだそうです。 または、手術を受けたくても資金的に難しいのだそうです。  

  国立クルセオン病院でも、白内障手術を行っていました。 しかしその手術方法は、切開部分が大きく、術後に乱視が残ってしまったり、視力の回復が弱かったりしていました。 また、病院側の衛生面の問題で、術後に感染や合併症が起こる危険性も高く、入院も1週間と、患者さんにとって大変負担の大きい手術でした。  

  超音波の手術では、切開部分が3ミリで、手術翌日には早い人で視力が1.2ほどまで回復するそうです。米谷先生の厳しい指導のもと、16人の患者さんは感染や合併症を起こすことなく、手術翌日に全員退院しました。    

  私は今まで、医療の現場に関ったことがありませんでした。 今回実際に手術に立ち会い、診察を受けにくる患者さんたちの真剣な眼差しから、医療が人々の生活にいかに大事なのかを感じました。適切な医療を受けることで再び健康な生活に戻れるその一方で、不充分な環境のもとで医療を受けたことで人生を大きく変えてしまうことがあるからです。私はそれを目の当たりにしました。もちろん、これは日本を含め、世界中で言えることです。しかし、日本とダージリンの大きな違いは、日本では医療が比較的進んでいること、そして病院の選択肢があることだと思います。  

  これからも白内障キャンプは続きます。 日本の企業の皆さんから国立クルセオン病院に寄付していただいた超音波装置と眼科顕微鏡が、末永く白内障の患者さん達に 「ひかり」を届けられますように、そして白内障キャンプがダージリンの医療の現場に新しい息吹を与えますように。

おわり 2003年12月31日
マカイバリジャパン 石井 博子

写真上:Dr.シャルマの部屋で小さな閉会式を行いました。国立クルセオン病院の看護師さんが米谷先生に、祝福がありますように、とビンディーをつけてくれました。

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現地レポート1
霧の濃いニューデリーに到着しました。ニューデリーのクリスマスの様子など。


現地レポート2
マカイバリ茶園に到着。今日からラジャさんが子どもの頃に使っていた部屋に泊まります。


現地レポート3
マカイバリ茶園の仲間たち。ラジャさん夫妻とのクリスマス。白内障器材が病院に到着。 


現地レポート4
米谷先生がマカイバリ茶園に到着。プージャの後、器械のセットアップ。


現地レポート5
開会式、プレスカンファレンスのあと、手術第1日目が始まりました。


現地レポート6
手術2日目。合計で16人の患者さんに白内障手術を行いました。


現地レポート7
手術の他に20人の患者さんを診察し、無事に白内障キャンプの最初の幕が降ろされました。

白内障キャンプを終えて: 米谷先生からのメッセージです。


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