ニューデリー駐在員から届く インドの「今」
ダージリン白内障キャンプ 〜マカイバリ茶園へのクリスマスプレゼント〜 2003年12月29日〜31日 埼玉医科大学眼科学教室主任教授 米谷 新 先生 インド・ダージリンには、現地の厳しい自然環境のなかで白内障に苦しむ患者さんがたくさんいます。しかし治療施設が恵まれないばかりに症状が悪化してしまい、視力を失ってしまう人が大勢います。
マカイバリ茶園があるダージリン・クルセオン地域には、多数の茶園で働く人々が家族と一緒に生活していますが、標高約1500メートルの丘陵地には国立のクルセオン病院しかなく、またその施設は決して十分とはいえません。都市の病院へ行くには高額の治療費がかかるため、白内障手術を受けることは不可能に近いことでした。 今年のクリスマス、マカイバリ紅茶のファンの一人でいらっしゃる埼玉医科大学眼科学教室主任教授 米谷新(よねや しん)先生が、ダージリンで白内障に苦しむ人たちにボランティアで手術をして下さいます。 米谷先生は眼底疾患治療において国内外で有名な方で、NHKテレビの健康番組にも出演するなど幅広い活動をしていらっしゃる先生です。私たちとの交流を通じて、ダージリン地域で白内障に苦しむ人々が治療の機会がないことを知った米谷先生は、現地での治療活動「白内障キャンプ」を思い立ちました。 今年8月には、現地の事情を知ろうとダージリンを訪れました。そして、白内障治療のための機器が不可欠であることを知り、ドイツの会社に働きかけ手術に必要な機器の提供を受けることになりました。中古機材の提供とはいえ、新規に購入すれば3000万円近くかかる手術機器です。これらの機器はクルセオン病院に寄付されることとなっています。米谷先生の活動に賛同する企業が次々に現れ、手術に必要な資材を提供して下さる協力企業はこれまで合計13社にのぼりました。手術の機材はすべて日本から飛行機で輸送され、その運搬費は賛同して下さったドイツの航空会社が負担して下さいました。
今回手術を受ける人はマカイバリ茶園の人を含め、症状が最も重い10人です。手術には日本でも高額なため使われることの少ない、一眼15万円もするレンズが使用されます。また、包帯一つ、コットン一つにしてもすべて日本から持ち込まれます。「マハラジャ(最高級)の手術を提供したい」「患者さんには1ルピーも払わせたくない」、それが米谷先生の強いお気持ちです。 米谷先生のご好意により、この白内障キャンプはこれからも継続的に行われる予定です。 マカイバリ紅茶を日本で飲む人がマカイバリ茶園のことを想い、ダージリンで紅茶をつくる人が日本のことを想ってくれる。 今年のクリスマス、ダージリンに住む15人の人に日本から「ひかり」のプレゼントが届きます。 米谷先生、ご協力いただいた企業の皆様に、こころから感謝申し上げます。
ご協力いただいた企業の皆様>>>
************************************************************************* 現地レポート1 霧の濃いニューデリーに到着しました。ニューデリーのクリスマスの様子など。 現地レポート2 マカイバリ茶園に到着。今日からラジャさんが子どもの頃に使っていた部屋に泊まります。 現地レポート3 マカイバリ茶園の仲間たち。ラジャさん夫妻とのクリスマス。白内障器材が病院に到着。 現地レポート4 米谷先生がマカイバリ茶園に到着。プージャの後、器械のセットアップ。 現地レポート5 開会式、プレスカンファレンスのあと、手術第1日目が始まりました。 現地レポート6 手術2日目。合計で16人の患者さんに白内障手術を行いました。 現地レポート7 手術の他に20人の患者さんを診察し、無事に白内障キャンプの最初の幕が降ろされました。 白内障キャンプを終えて: 米谷先生からのメッセージです。